[#9] 0歳児と共に地球の裏側へ ~Travel to Colombia~

CoC代表 加藤功甫が夫婦で0歳児の愛娘を連れて、日本の裏側にあるコロンビアへ旅立ち、帰国するまでの奮闘記をお届けします!(※全部で9回にわたり更新)

日本の水際対策に驚嘆

TVやネットではしきりに「日本の水際対策はザルだ!」とネガティブキャンペーンを耳にしてきた。さて実際はどうなっているのか。お手並み拝見。着陸し所定の場所まで飛行機が到着すると機長から「合図があるまで席を離れないように」という指示が入る。それから30分ほど機内で待機させられ、その後シンガポールまでこのまま搭乗する方が先に降り、日本に入国する人たちはその後順番で降機した。空港に入ってすぐ、防護服を着たスタッフが「指示に従って進んでください」と進む通路を指定する。動く歩道はストップし、仕切られた片側を乗客たちは歩く。しばらく進むとパイプ椅子が無数に通路に並べられている(その数100脚以上!暇すぎて数えたが途中で数が多すぎて嫌になった)。その一番前から乗客たちが一人一人座り、PCR検査の順番待ちが始まる。1時間がそのまま経過。この間にスタッフさんたちに何度もパスポートと、陰性証明書、誓約書、機内で書いた書類の確認をされる。娘は疲れでご機嫌ななめ。ようやくPCR検査に向けて動いたと思うと、角を曲がってすぐのところで最初のチェックポイントがあった。必要書類を全て提出し、「3人ですね。コロンビアからなので3日間ホテルで隔離となります。みなさん別の部屋でいいですか」と訊かれる。「いや、娘が0歳なので全員同じ部屋でお願いします」と伝えると、少し待たされたあと「わかりました。ホテルに着いたら改めてその旨を伝えてください」と言われる。「この後PCR検査をしますが、娘さんも必須です。唾液が取れない場合は、鼻に綿棒を入れる検査となりますがどちらがいいですか」と検査を前提に話が進むので「私たちはもちろん受けますが、0歳の娘も必須でしょうか」と尋ねると「はい、全員やってください」と取り付く島がない。妻から「鼻に綿棒なんて拷問を愛娘にはさせられない!」と0歳児唾液摂取大作戦が始まった。赤ちゃんの唾液摂取に挑戦するとスタッフに伝えると「ではこれを使いたまえ」と小さなスポイトを追加で手渡される。試行錯誤が始まる。いつもあれほどよだれを垂れ流している娘も緊張と疲れで口元はカラカラ。おもちゃを渡してもポイされる。そういえば、コロンビアのジイジにもらった笛を吹くと笛の中が涎でいっぱいになっていたなぁと思い出し、笛を取り出してみると、案の定、ピーピー鳴らしながら、唾が口の中に貯まり始めた!それを素早くスポイトで吸引し、約20分かけ唾液採取に成功した。最後はスタッフ一同拍手喝采だった。

PCR検査を終えると次のチェックポイントへ移動する。そこでこれからの流れを教えてもらえた。要約すると今はセクション0(ゼロ)にいて、これから5つほどのセクションがありそれを全て通過する必要がある。それぞれのセクションでは、これからの隔離生活に関する説明、アプリのアクティベーション、準備してきた書類の提出、PCR検査の結果通知、滞在先ホテルの発表と移送が行われた。

書類の提出のセクションまではスムーズに進む(といっても1時間近くかかる)が、その後のPCR検査の結果通知は果てしなく時間がかかる。16時前に着陸したのに、時刻はすでに20時。妻が我慢しきれずスタッフにこれ以上待てないと言ってくる!と席を立つと同時に、PCRの検査結果が届き、滞在先のホテルまでの移送に移行した。

滞在したホテルは東横イン成田空港。これでもか!と過剰なほどビニールでの感染防止対策を施されたバスに乗り10分程度でホテルに到着。ロビーには特設のカウンターが10台ほど並び、スタッフが1組1組チェックインをしている。家族3人で1部屋お願いしたい、できれば仕事もしたいので広い部屋がいい、とダメ元で訊いてみると「わかりましたこのホテルで一番広いお部屋を確保しますよ」とものすごい好対応をしていただき、さらに「赤ちゃん大変でしたよね。必要なものがあればいつでもなんでも言ってくださいね!」と娘用のスナックとジュースを手渡してくれた。22時にも関わらずスタッフは皆ものすごく優しい。

着陸から実に7時間半後にホテルの部屋にたどり着く。娘は空港を出るバスに乗る前に疲れが限界に達し寝てしまったため、起こさないようにそっと頼んでおいたベビーベッドに寝かせ、僕たちも泥のように眠った。

入国時に必要だった大量の書類

翌朝6時にホテル全体に鳴り響くアナウンスで目が覚める。ここから3日間全く同じリズムで同じことが起きる。

6時半頃:この日に退所(ホテルに隔離されることを入所、自宅に帰ることを退所と呼んでいた)する方向けのPCRテストの案内が鳴り響く

7時半頃:朝食を配りますアナウンスされる

8時半頃:配り終わったから素早く部屋に持ち込む指示がアナウンスされる

11時半頃:お昼を配るアナウンス

12時半頃:配り終わったから素早く部屋に持ち込んでアナウンス

13時頃:毎日の健康チェックしてねアナウンス

17時頃:夕飯配るアナウンス

18時頃:配り終わったから素早く部屋に持ち込んでアナウンス

ホテルのドアには自室から出ないでという張り紙が。窓からの景色は中庭が見えるだけで薄暗い。たった3日といえど長いなぁと感じた。

ただ、基本的にスタッフの方の対応はものすごく良かった。宿泊費は無料だし、生活に必要な物資も基本的に無料で配給してくれる(水、赤ちゃん用のミルク、お尻ふき、オムツ、痛み止めを今回お願いしたが全部無料だった)し、午前8時〜10時と午後2時〜4時にホテル一階のローソンが開くため、電話でこれ買ってきて、と伝えると、スタッフの方が買ってきてくれる(商品は代引きで受け取る)。また、ナースとドクターが駐在しているため、何か身体の具合が悪ければ相談に乗ってくれる。妻が恐らく疲労で身体に蕁麻疹のような症状が出た時も痒み止めを持ってナースが来てくれた。

毎回の食事もお弁当がお味噌汁と一緒に提供され、夕飯にはサラダもついた。パックジュースとお茶も毎回ついた。赤ちゃんのために離乳食も用意してくれた。3日間毎回冷えたお米を食べるのは結構きつかったが、そんな贅沢を言ってはいられない。全て無料でここまでやってくれるなんて感謝しかない。とはいえ、冷や飯が喉を通らなくなったときに、持ってきていたジップロックにお米を入れて、T-falで熱湯を作り即席湯煎をしてみた(これが大成功!)。

ホテルで毎日実施した健康管理

短いようで長かった3日間の隔離も無事最後のPCR検査陰性(娘のPCR検査大作戦も2回目はかなり容易だった!)でいよいよ自宅へ帰れる日が来た。チェックアウトの際、これから11日は外出をしないようにと言われる(しかし、生活必需品を購入する際は、混雑する時間帯を避ければ行ってよろしい、と!これはほんとに助かった。)

約1ヶ月ぶりの我が家に到着。娘が「自分家だ!」と言うように嬉しい声をあげ、自分の布団にダイブする。ここから11日間。今度は自宅隔離が始まった。ホテルほどの拘束感はないがそれでもインストールされたアプリから毎日2、3回ランダムにテレビ電話がかかってくる。

必ずカメラをオンにしてどこにいるのかを伝えつつ、娘も映さなくてはならない。AIの自動テレビ電話の場合は、30秒間枠の中に自分の顔を映す。

加えて、こちらも1日に2、3回、今どこにいるかチェックインしてほしいと連絡が入る。これは通知が来てから約10分以内に「I’m here」ボタンを押さないと、「期限切れです。連絡がき次第すぐにボタンを押しなさい」とアプリに怒られる。

もう一つ、毎日健康状態をアプリから報告する。この3点セットを11日間やるので、政府はかなりしっかり水際を考えていると感じた(隔離される側もこれだけやっていただくのだから、最低限のお願いは守らないといけないと思った)。各拠点にいるスタッフの方々も皆いい人で(言語も日本語、英語、スペイン語、中国語、ヒンディー語、ネパール語は使っているスタッフを見た)、時間がかかるが、非常に組織化されていた。

そして9月10日、14日間の隔離が終わる。久しぶりに横浜には暖かな太陽が降り注ぎ、3人で外に出て、早朝の野毛山公園で深呼吸した。世界各国がCOVID-19により非常に厳しい状況が続いているが、その中どうしても今、僕らのように海外へ行かなければならない人もいると思う。だからこそ、今回の経験を皆さんにも共有したいと思い、体験をブログにまとめた。もし、自分以外でも知人や友人、ご家族が、この情勢の中、海外に行かなくてはならなくなったら、特に赤ちゃんを連れて行くようなことがあれば、ぜひこの情報を伝えてほしいと思う。皆さんの旅の安全と、世の中が早くこの状況から解放されることを祈って。

2021年9月17日 Connection of the Children 加藤功甫

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加藤 功甫

加藤 功甫

代表理事Connection of the Children
コロンビア人の妻と1歳の娘とともに、毎日ワクワクする世界に挑戦中。愛車はDe Rosaのクロモリ自転車とRover mini。早く世界各地で開催される300kmくらい走るレースに出場したいなぁと考えている。
加藤 功甫

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