【#01 学生寮】 Shunのカナダ滞在記

2020年~2021年にカナダへ留学したCoCメンバー、Shunから届いた当時の滞在記を4連続でお届けします!


2020年の12月にカナダに入国してから夏休みのために帰国した2021年7月までの約7ヶ月間、ホームステイという形でカナダ人一家の家にお邪魔させてもらっていた。新学期が始まる2021年9月からは大学内にある寮で暮らしている。2人部屋で、カナダ人のルームメイトと洗面所、冷蔵庫、キッチンを共有している。幸いベッドルームは個別になっており、ささやかなプライベート空間が与えられている。

学期ごとに1日だけ寮のスタッフがそれぞれの部屋の清潔度を審査する日がある。この日はルームメイトと共に一生懸命に掃除をする。溜まったゴミを捨て、洗濯をし、トイレ、シャワー、洗面台、鏡、キッチン、ダイニングテーブル、勉強机、床を磨き上げる。必死に掃除するのには理由がある。汚い部屋の住民には罰金が科されるのである。ゴミを規定の場所に捨てなくても罰金である。このように寮に住む学生たちは厳しい規則に怯えて暮らしているのだが、寮側は極めて雑である。
寮に入居して2週間程経ち、コバエが多いなと気付く。窓の網戸が緩いのが原因だと思い、窓を閉めて1週間を過ごす。しかし、締め切った部屋にどこかから湧いてくる大量のコバエは日に日に増えていく。恐怖である。キッチンと洗面所を隅から隅まで探し回った結果、腐ったナスから大量のコバエが発生している現場を流しの下に発見した。もちろんブチ切れである。ルームメイトを問い詰めるも前の住民が残したに違いないという。とにかく捨てて、ハエ取り紙と殺虫剤を購入し、徹底的に駆除した。部屋の清潔度を審査?罰金?いいから入居の前に掃除してくれ。
ゴミを捨てる場所は寮の建物の外にあり、3つの大きな鉄のゴミ箱が悲壮感を漂わせながら身を寄せ合っている。雨の日は特に思い詰めているように見える。3つのゴミ箱にはそれぞれ仕事があり、生ゴミ、可燃ゴミ、リサイクル資源に分かれている。ただ、溢れたゴミが混ざっているので分別も何もない状態である。秋学期も半分が終わり、中間考査の結果に一喜一憂している頃に、ゴミが溢れちゃうので分別は廃止します、との知らせが来た。雑である。

寮に住んでいて困ることは他にもある。電気の接続が悪いのである。日本に住んでいると想像が難しいかもしれないが、電球の状態に関係なく電気がついたりつかなかったりするのである。突然消えることもある。これが洗面所なので、トイレで用を足している最中、コンタクトを入れている最中、シャワーを浴びている最中に視界が突然奪われる。なかなかのストレスである。
また、Wi-Fiがいきなり死んだこともあった。2日間部屋でパソコンが全く使えなかったのである。後日メールで復旧したことが知らされた。いったい2日間も何が原因でWi-Fiが使えなかったのかさっぱりわからなかった。これはホームステイしてる時にも何度か数時間使えない事態を経験したので、カナダではよくあることなのだろう。鮭が獲れないとグリズリーが怒って電波を妨害しているのかもしれない。ムースの群れが移動すると電波がおかしくなるのかもしれない。ここはカナダなのだ。

【#2 映画館】へ続く

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