【#4 洗濯】Shunのカナダ滞在記

土曜日の午前中は暇である。平日に大学の勉強で忙しくしていた学生たちは金曜日の夜にはっちゃけ、10時ごろに示し合わせたようにもぞもぞと起き出してくる。熱いシャワーを浴び、歯を磨くとすることは1つしか残っていない。洗濯である。

学生寮は左右対称な四階建ての大きな建物であり、外観は特に何も面白くない。内観が面白いわけでももちろんない。玄関には「ここは本屋ではありません。本屋は隣です。」と貼り紙がしてある。左右対称な建物の中心部分にエレベーターと階段が設置されている。それぞれの階でエレベーターから降りると、共同キッチン、自習室、そしてランドリールームに囲まれる。各部屋にキッチンがあるという内容を含んだ記事があったと思うが、部屋には冷蔵庫と流しと電子レンジしかない。僕は電気ポットと炊飯器を個人的に買い足してそれなりに充実した食生活を送っている。共同キッチンには電気コンロとオーブンがある。気の利いた人間はスコーンを焼いたりする。そして火事を起こすのである。
土曜日の午前中には誰も自習室やら共同キッチンには興味がない。皆そろって1週間分の洗濯物を抱え、ランドリールームに集う。各階には3つの洗濯機と乾燥機があり、使うごとに1.5ドル(約130円)かかる。カナダドルはアメリカドルよりも少し安い。僕は4階に住んでいるのだが、全ての洗濯機が使用中で3階に行って洗濯をしたことがある。運の悪いことに乾燥機は4階も3階も全て使用中だったので部屋に全ての洗濯物を干した。窓を開けていたのだが、その3日間は洗濯物の臭いが部屋に染み着いていた。次の日に履く下着がなくて困ったが、1.5ドルは節約された。

土曜日の午前中は暇である。しかし、そこで安易に洗濯をしようなどと考えるのは愚かである。二度寝をするかベッドの中で本を読めばいいのだ。洗濯は午後でいい。


全4回お読みいただきありがとうございました!

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