人の人生を決する長期的な影響を持つ経験があるとしたら、それは旅ではないだろうか。そんなことを思った回でした。
12月26日にCoC主催のトークシリーズ「たまには世界の話をしようよ」の第五回として「ワーホリinニュージーランド、そして教師となった今」をCasacoからオンラインで開催しました。20年前に日本語教育のアシスタントとしてニュージーランドの学校で働いていた澁江暁さんをゲストにお迎えし、僕(CoCメンバーの政志)がホストを務め、お話を聞きました。
今回は色々な意味で初の試みでした。まず、私たちが海外の話を聞くのにゲストが「20年前の経験」を語り、かつ「その後自分が受けた影響を振り返る」という形が初めてだったこと。そして、澁江さんがニュージーランドの経験を踏まえ日本で教師として働く中で考えた「理想の教育とは何か」というとても深い問いにまで話が発展したこと。さらに、第四回まではオンライン視聴のみの参加形態でしたが、感染状況を見ながら初めて会場にも数名参加者が集い、ハイブリッドでお届けする中で登壇者と参加者が相互にコミュニケーションをして話を深められたことです。それはまさに「世界の話をしようよ」という名に相応しい体験でした。
「たまには世界の話をしようよ」は、まだ定型のないイベントです。だからこそ今は様々な形を試し、それぞれの良さを引き出し、改善点があれば次回に生かしていくという試行錯誤を繰り返しています。でも実はそういった時期がいちばん自由度が高く面白いかもしれません。運営メンバーの中ではいつも色々な意見が出ます。「ここでいう『世界』は別に外国でなくてもいいではないか」「ひとつの国にこだわらずとも、もっと人にフォーカスしたらどうか」「そうであればその『世界』を感じた経験が最近であるかどうかは重要ではないだろう」
正直、僕は世界の話をするのに手段は問わないですし、その話を共有するという体験に色々種類があるのは逆にいいことだと考えています。ただ、世界の話はしたい、すべきだ、もっとしよう、と思います。その気持ちは今回の世界の話を経て、もっと強まった気がします。なぜ人は自分とは違う文化に出会ったときにより多く考え、悩むのでしょう。なぜ人はその文化の違いを乗り越え、わかり合えたときに喜びを感じ、それが強く記憶に残るのでしょう。2020年まで僕自身ミャンマーの山奥に住んでいましたが、それが2040年にどのような形で自分の生きる指針になっているのか、考えただけでもぞくぞくします。「人生を豊かにする」なんて言葉をどう体現するのか、考えると難しいとは思いますが、澁江さんのニュージーランドでの経験は、間違いなく彼の人生を豊かにしたんだと、何か確信のようなものを得た回でした。皆さんと、もっと世界の話がしたいです。
CoC
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