パレスチナスタディツアーにむけて、津高政志(Connection of the Children理事)よりメッセージ

私はパレスチナ駐在を経て世界各地の紛争地を経験し、それを日本社会に還元しようと考えてきました。「社会に還元する」ということが何を意味するかというと、端的に言えば自分の身近な人たちにも紛争を無くそうという意識を持ってもらいたい、そして欲を言えば意識だけでなく行動を起こしてほしい、ということです。紛争は、本当に嫌なことです。どこの赴任地でも、その口の中に砂を入れられたような感覚が私は本当に嫌でした。世界全体がそういった状況を無くそうとしないと、紛争は継続し、拡大し、ときにどんどん酷くなっていくのです。他人事のままにしておく、というのは、その事態の悪化に加担することです。

私もこれまで色々なところで自分の人道支援の体験談を講演してきて、そういった活動に参加したい、日本でできることがしたい、少しでもいいから募金したい、という奇特な声も聞いてきました。それは大変ありがたいことです。しかし、「あなたのようになりたいから現地に行ってみたい」という本気の声を中学生の口から聞いたのはこれが初めてでした。

私も考えました。これを本当にそのまま真に受けて良いものか。プロジェクトを立ち上げ実行したとして、それにはどんなリスクとコストがあるのか。しかし、自分より若く可能性のある誰かに、ポジティブな影響を与え平和のバトンを渡せるとしたら、それは個人的に幸甚であるばかりか、世界にとっての前進だと思ったのです。たったひとりの中学生の女の子かもしれませんが、彼女がこれから生み出す価値は計り知れないのですから。計り知れない価値の前で、リスクやコストは霞みます。それらは対策を講じることで抑えることが可能だからです。

貴子さんの築く未来に賭けてみませんか?

一言で言えば、このプロジェクトのリターンは世界平和です。話を大きくしすぎと言われるかもしれませんが、本当にそうだから仕方ありません。きっと、彼女は何かを掴んで帰ってきて、その影響は波及し、もしかしたらもっとたくさんの中学生・高校生が世界各国の子どもたちと連帯し、平和を構築するための大きくより大胆な行動を起こしていくかもしれません。

何年か後に振り返って、これが第一歩だった、そう思えるようなこのプロジェクトに、皆さんぜひご協力お願いいたします。

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