CASACO 5th Anniversary

コネクションオブザチルドレン(ココ)代表理事の加藤功甫です。

2021年5月で、カサコはリニューアルオープンから5周年となりました。これまでカサコに関わってくださった皆様、この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

カサコの着想を得たのは2011年、ココを同メンバーの田澤儀高(さわD)と立ち上げ、ユーラシア大陸を自転車で横断中のことでした。トルコで地元の方に勧められて立ち寄ったモスク(イスラム教の寺院)の誰もが気軽に入れる温かな雰囲気と、トルコの町の至る所に点在するチャイハネ(喫茶店)の居心地の良さに感銘を受け、帰国したら日本にも誰もが気軽に立ち寄れ、そこで様々な繋がりが生まれる空間を作りたいと思いました。

帰国後、旅での経験を軸に、かねてより挑戦したかった「子どもの世界を広げ、挑戦を促進する教育プログラム」を実施し始めました。学校で出張授業をしたり、式根島にサマーキャンプと名打ち実際に旅したり、、、そんな中、2016年、ココの想いを具現化し、いつでも世界とつながれる、挑戦できる拠点として生まれたのがカサコです。

しかし、カサコ完成までの道のりは容易なものではありませんでした。2013年末、のちにカサコとなる2軒長屋の1軒(半分)をご縁頂き借りることが出来ましたが、築65年の家屋は想いを形にするためには、大規模なリノベーションをする必要がありました。しかし大学院生だった私には、時に改修に関しての知識も仲間も、資金も何もかもありませんでした。でもカサコの想いは形にしたい。そこで行ったことは、ココ立ち上げ時期にやったことと同じ「とにかく人に会う」ということでした。

改修前のCASACO

当時働いていたレストラン「マルシェ」の常連のおじさんに誘われサイクリングに行くことになり、その途中にとある拠点にて紹介されたパワフルなおばさまにつなげていただいたのが、伊藤さんと冨永さんという後にカサコプロジェクトを機にトミトアーキテクチャを立ち上げた建築家のお二人。旅仲間のオープンしたお店でたまたま隣に座った縁から企画にジョインしてくれた春日井さん。ユーラシアの旅の帰り道、寄り道した香川県で出会ったさわDの高校の友人柴田さん。カサコを地域に根ざした場所にしようと参加した初めての町内会企画「町内餅つき大会」で話しかけてきてくれた濱島さん。この誰がかけてもカサコは完成し得なかったでしょう。今や全員別々の道で新たな挑戦を続けていますが、本当に彼らには頭が下がる思いです。

CASACO完成予想図

2年半の準備期間を経て、たくさんの人の想いが詰まって完成したカサコ。それからの5年は、カサコ完成に向けた挑戦と同等に、いやそれ以上に挑戦の日々でした。「拠点を持つ」ことはとても素敵だと自信を持って言えます。これまで概念でしか伝えられなかったココの理念を、カサコに行けば体感できますし、やりたいことがあったらカサコという場所を使って挑戦できるからです。これまでは人に出会うために文字通り世界中飛び回ってきましたが、拠点があることで世界がカサコに来てくれるという「カサコにいながら世界中を旅できる感覚」も得られました。

イベント「世界の朝ごはん」の様子

一方で、拠点を持つことの大変さも痛感しました。家賃をはじめとした固定費がかかるのに加え、常に人が訪れる場所はすぐに傷みや汚れが。日々の掃除と改修は、心地よい空間を維持するためには必須ではありますが、何か不具合があると途端に矢面に立たされる非常に骨の折れるものでした。拠点運営初心者が試行錯誤する中、時に優しく、時に厳しいお言葉をさまざまな方から頂戴したことは、カサコの宝です。本当に感謝しています。

また、人との「つながり」に関しても多くのことを学びました。人とのつながりとは、例えるなら海岸に作った砂城のようで、作る過程はワクワクし時間を忘れますが、それを維持、拡張するには、多くのエネルギーを要します。一度疎かにするとたちまち砂の城は跡形もなく消えてなくなってしまいます。これまでココは、ありがたいことにつながりをたくさん作ることが出来ました。しかし、それを維持する過程では失敗し、ご迷惑をおかけすることも沢山ありました。
だからこそ、2020年度は「既存のつながりを大切にすること」を活動の中心に据え、人と人とが実際に会えなくてもつながりを感じたり、強めたり出来るよう、オンラインなども活用し工夫を凝らしました。

オンラインイベント「世界の朝ごはん」の準備の様子

そして2021年。4月9日でカサコはリニューアルオープンから5年を迎えました。5周年を迎えられた感謝を、カサコで関わる皆様にお伝えしようとメンバーで企画を進めていましたが、政府からのコロナ禍に対する特別措置が発令されていることを鑑み、熱りが冷めてから改めて盛大に開催できるよう致したく存じます。文章で恐縮ですが、この場をかりてこれまで私たちを支え導いてくださった皆様に御礼申し上げます。

これからもココの理念である国籍や文化に関わらず「全ての子どもがやりたい事を見つけ、それに挑戦できる社会」と「誰もが温かい気持ちで繋がれる社会」を実現するため、カサコは拠点としての役割を果たしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。当面、リアルでの企画はできない分、「世界の朝ごはん」や「たまには世界の話をしようよ」などの企画はオンラインにて定期開催を計画していますので、続報をお待ちください!また「こんなことがかさこでできるんじゃないか?!」「私こんなこと一緒に挑戦してみたい!」というメッセージは随時大募集中です!!

2021年4月吉日 
特定非営利活動法人Connection of the Children
代表理事 加藤功甫

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