10/24(日)は世界の朝ごはんだけでなく、もう一つ非常に興味深いイベントがカサコで開催された。CoC主催のトークシリーズ「たまには世界の話をしようよ」の第4回、スイス編だ。この企画の発起人はCoCの理事の津高さん。「CoCと繋がってくれた人たちに世界をもっと身近に感じてもらいたい、また、世界に出た結果そこで彼らは何を感じ、人生がどう動いたかを伝えたいと思い、海外で様々な体験をしたゲストのお話を聞きながら世界のこと、様々な生き方に想いを馳せる時間を皆さんと共有していきたいと企画を作りました。このイベントに参加して、世界で起こっていることをもっと知りたい、実際に旅に出てみよう、私も挑戦しよう、といった行動のきっかけになったら大変嬉しいです。」と語る。
スイス編のゲストは征矢茉莉子さん。征矢さんは大学を卒業後、国内の大学院で研究を続けた結果、繋がりからスイスの大学で研究ができるチャンスを掴む。
留学ではなく働くために渡航した征矢さんが経験したのは、日本で経験してきた研究者としての生き方とは180度異なる価値観とライフスタイルだった。上司とのフラットな関係性、家族が中心の生き方、オンオフの切り替え方・・・多くの場合「カルチャーショック」という言葉は否定的なニュアンスを含むが、征矢さんが語るそれは非常に肯定的で、1年というスイスでの研究生活の中で彼女は「幸せな生き方とは何か」という究極の問いに行き着くのだった。帰国後の日本での研究者としての生活は、嫌でもスイスでの豊かな時間と比較してしまい陰鬱になることも。それでも彼女が輝いていられるのは、スイスで開かれた彼女の視座によるものではないだろうか。トークショーの最後に彼女が発した「幸せに生きることができるのであれば、それが日本だろうが、スイスだろうが、全く別の国でも構わない」という一言が彼女のこれまでの経験を表しているように感じた。たまには世界の話をしようよでは今後も魅力的なゲストと津高さんの小気味よい掛け合いの中から紡がれる多様な世界を参加者の皆様にお届けする。次回はどんなゲストがどんな経験を話してくれるのか、今から楽しみでならない。
加藤 功甫
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