[#1] 0歳児と共に地球の裏側へ ~Travel to Colombia~

CoC代表 加藤功甫が夫婦で0歳児の愛娘を連れて、日本の裏側にあるコロンビアへ旅立ち、帰国するまでの奮闘記をお届けします!(※全部で9回にわたり更新予定です)

Introduction

梅雨の重たい空の下。横浜にあるConnection of the Childrenのオフィスである留学生のシェアハウス兼世界と繋がるイベントスペースCASACOから帰宅すると、妻がスマホを手に呆然としていた。「お母さんが心臓に爆弾を抱えていることがわかったの」と妻。医師曰く、すでに小さな爆発は起きてて、すぐにでも手術をした方がいいとのこと。でも、その手術は今のお母さんの体では非常に難しく、成功率は50%以下、成功しても後遺症が残る可能性も高く、お母さんは手術を望んでいない。

世界がこんな状況になり、お母さんとは2年会っていない。生まれて10ヶ月になる娘にももちろん会えていない。あとで「あの時行っていれば・・・」と後悔しない為にも、家族と過ごす静かな時間をお母さんに贈ることに決めた。

Preparation① コロンビアへの空路

コロンビアへの旅路は長い。日本との時差は14時間、もはや日本の真裏。直行便はなく、必ずどこかで乗り換えが必要だ。まず考えるのは東回り(カナダ・アメリカ・メキシコ経由)で向かうか、西回り(アラブ・ヨーロッパ・アフリカ経由)で向かうか。さらに今回は0歳児の娘を連れた旅路。これまでのバックパッカー的な体力勝負の乗り継ぎ(乗り継ぎ時間1時間や乗り換え3回以上)は現実的ではない。

理想は1回乗り換えで、乗り換え時間が20時間以上あること。そうすれば経由地で娘をゆっくりホテルで休ませることができる。

そこでこれまでで一番便の良かったメキシコ経由を探すも、アエロメヒコはコロナの影響で日本からの直行便が全便欠航。アメリカ経由も、カナダ経由も1回乗り換えでのコロンビアまでの往復チケットは西回りに比べて1.5倍ほどの値段。とはいえ西回りは所要時間が東回りに比べて2倍近くかかる。うーん、悩ましい。

毎朝毎晩掘り出し物のフライトがないか探す日々が続く。出発の日程が半月後に迫る。チケットの値段はジリジリと値上がりしていく。チケットは見つからない。そこでチケットを分割して買う方法を試すことにした。これまでの検索で、ロサンゼルス、マイアミ、ダラス、ニューヨーク経由だと比較的チケットが安価であることがわかった。さらにそこからコロンビアへの直行便が現地到着後20時間付近にあるかを探す。すると、ロサンゼルスで乗り継ぐと往路、復路ともにちょうど良いチケットが見つかる。出発まで10日と迫った日のことだった。

Preparation② 0歳児を連れて地球を半周

ただでさえ、地球の反対側に行くのは体力的にも精神的にもタフだ。飛行時間はトータル20時間以上。加えて空港での待ち時間、経由地での待ち時間(今回は1泊するので24時間以上)、現地から最終目的地までの移動、と合わせると軽く3日かかる。そこに、0歳児の娘が加わるとどうなってしまうのか、全く予想ができなかった。「0歳児との海外旅行」「赤ちゃんと海外」などと検索し情報を集めるも、「なるべく時差が少ない海外へ行こう!」「夜のフライトが赤ちゃんが寝てくれるからおすすめ!」などどれも今回のケースにはあまり参考にならない。時差は14時間(ロサンゼルスは16時間!)あるし、朝も夜も飛行機の中だから。

まず取り組んだのが、0歳児との旅に必要なもの、ことを書き出すこと。その中でも、今後0歳児を連れて旅をされる方に役立つ情報をここに記しておこうと思う。

・パスポート

0歳だろうが海外に行く際はパスポートが必要だ。5年のパスポートのみ日本では取得可能。僕は21歳で初めてパスポートを手にしたので、まさか自分の娘が0歳でパスポートを取るとは夢にも思わなかった。赤ちゃんのパスポート用の写真(笑っていない、口の閉じた、正面を向いた、背景がない等)を撮るのは結構難しい(というか、一瞬も同じ場所に留まらない娘の写真を撮るのは不可能だった・・・)。ので、パスポートセンターの隣の写真館で撮ることにした。

1週間でパスポートが届く。0歳児だろうが、自分でパスポートを受け取らなければならない。親子で1週間後にパスポートセンターへ。出来上がったパスポートを開く。か、かわいい、、、この写真のおかげ?で、アメリカでもコロンビアでも入管で娘は大人気だった。

・バシネット

実はほとんどの航空機にはバシネットという赤ちゃん用ベッドが用意されている。形状や大きさは各社異なるようだが、基本的には90cmx40cmくらいの転落防止のベルトがついたゆりかごで、飛行機の前に座席がない席(トイレの後ろや、席のクラスが変わる境目)に設置できる。今回利用したシンガポール航空にも事前に連絡し、バシネットが使える席を予約した。席に限りがあるため、チェックインを待たずに、チケットを取った瞬間に航空会社に個別問い合わせることを強くおすすめする。(ロサンゼルスからボゴタへいくアビアンカ航空は予約したのに使えなかった・・・)

・時間割

赤ちゃんだって時差ボケする(というか大人より厄介)。14時間の時差を時差ボケなしで乗り切るために、エクセルでスケジュール表を綿密に作った。日本時間、アメリカ時間、コロンビア時間を軸に、いつミルクをあげるか、いつ寝るか、いつご飯を食べるか、を計画していく。パズルみたいで結構楽しい。実際に旅立つまでに何十回もエクセル上でコロンビアへ妻と旅した(笑)

・睡眠トレーニング(ルーティン作り)

どんなに綿密に予定を立てても、その通りに娘が寝てくれないと話にならない。出発までの約1ヶ月、これまで以上に娘の睡眠トレーニングを実施した。起きる時間、食べる時間、お昼寝の時間を揃え、眠りに向けたルーティン(部屋が暗くなる→静かな音楽が流れる→絵本を読む→ホワイトノイズ)も徹底した。また、抱っこして寝落ちするポイントを日々研究した。

*このトレーニングは旅に行かなくても、0歳児を持つ全てのママパパにオススメ!

・タブレットと小型スピーカー

赤ちゃんは音にとっても敏感だと感じる。上記のルーティンを飛行機でも、現地でも実行するためにタブレットにいつも使っている音楽を入れ、Bluetoothスピーカー(飛行時間が最長11時間なので12時間以上充電不要なスピーカーを探す)をタイミングを見て使用する。タブレットがオススメなのは、音楽以外にも娘が好きな映像を入れておけるから。何をしてもぐずる時の最後の砦として重宝した。

・粉ミルク(+保温瓶と小さなボトル)とオムツ

娘は今、基本粉ミルクを飲んでいる。だから今回1ヶ月分の粉ミルクをジップロックに移し替え、携帯用の小さな缶に必要最低限のミルクを入れ旅立った。いつでもミルクが作れるように、熱湯を保温できる保温瓶と温度を調整するようのウォーターボトルを準備した。またオムツはアメリカでもコロンビアでも手に入るが、長距離移動や夜は日本で慣れたオムツがあるとストレスが少ない(親も子も)ため、必要最小限持参。

・おもちゃ

娘のお気に入りのおもちゃセットを作って持参(小さなポーチに放り込んでおくだけ)。飛行機でも、現地でも、大好きなおもちゃに囲まれて幸せそうな娘。

・ベビーカー

直前まで持っていくのを迷ったベビーカー。結果的に持っていって正解だった。抱っこ紐があれば不要かもしれないが、僕たちの場合空港ではベビーカーが大活躍した。機内持ち込みの荷物が割とかさばる中、抱っこ紐で娘を抱っこしていると身動きが取りにくかったり、長時間の抱っこは娘にも親にも負担だったり。ベビーカーはチェックイン時に申告すれば、機内に入る直前まで利用し、最後の最後に預けられるのでとっても便利。

・テープ(接着力が少しだけ強いものがベター)

なんで?!と思うかもしれないが、今回の旅で有効だった持ち物を上げるとしたらテープが上位にランクインする。用途は多岐にわたる。飛行機内で目隠しの布を固定したり、滞在先でコンセントの穴を塞いだり、カーテンの隙間を塞いだり、お土産の袋を閉じるのに使ったり、レンタカーの壊れた部品を留めたり(元から壊れていた。決して自分で壊したわけじゃない!)。

・DIYベビーベッド

なんじゃそりゃ?!と思うかもしれないが、必ずしも、全てのホテルにベビーベッドが準備されているとは限らない。今回宿泊した場所のうち、3箇所、ベビーベットがない場所があった。そこで考えたのが自分たちでベビーベッド作ろう!と言うもの。海外のホテルは基本的にベッドが置かれている。そのベッドと壁の間に60cm程度の幅の空間を確保し、そこにホテルに頼んで予備のブランケット(あれば予備の掛け布団)を持ってきてもらい、ブランケットの長辺を3つ折ないしは4つ折し、細長い形状を作り、それをベッドと壁の60cmの隙間に敷き、壁に囲まれていない場所にはスーツケース等をおけば即席ベビーベッドが完成!そのベッドの上に、いつも娘が使っているベッドシーツを被せる。いつもと違う場所でも、いつも使っているベッドシーツの色と肌触り、加えていつも使っているブランケットもあるとなお良い。むしろ準備してもらったベビーベッドよりも、DIYベビーベッドの方が、普段シングル布団を独占して眠る娘には広くて寝返りもうてて、快適そうだった。

・空港ラウンジ

クレジットカードの付帯サービスや、各航空会社のサービス、プライオリティパスなどを駆使すると空港でラウンジを使用することができる。様々な人が行き交い、大音量でアナウンスが流れる待合室ではせっかく作ったルーティンも機能させるのは難しい。今回僕たちはプライオリティパスを持っていたので、帰国時、コロンビアで大変重宝した。ここしか使わなかったのは、実はコロナで多くのラウンジが閉鎖されており、ここでしか使えなかったからだ。ラウンジがない場所では、空港内でも静かな席を探し、たくさん歩き、大変な思いをしただけに、静かで、フカフカのソファもあり、飲食無料なプライベート空間が確保できるのは天国だった。

Preparation③ コロナ禍での特殊な状況

世界規模でCOVID-19が蔓延し、どの国も入国には様々な水際対策を実施している。今回僕たちはアメリカ、コロンビア、そして日本の3カ国の水際対策に向け準備をする必要があった。難易度としては最難関が日本、一番容易だったのがコロンビア。どんな対策だったのかは後ほど詳しく。どの国も、目まぐるしく対策が変わるので、直前まで各国のウェブサイトをチェックしていた(それでも日本入国時、見たこともないフォーマットが必要と言われ追加で作成した)。特に隔離期間が設けられている場合は入国後の予定に大きく影響するのでしっかり確認しておきたい。

次回 #2 ついに日本出発!

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加藤 功甫

代表理事Connection of the Children
コロンビア人の妻と2歳の娘とともに、毎日ワクワクする世界に挑戦中。愛車はDe Rosaのクロモリ自転車と32歳になるRover mini。そろそろ世界各地で開催される300kmくらい走るレースに出場したいなぁと考えている。

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